Construction Plan — Updated

排水改善工事計画書

排水口復旧 → 崖面横溝 → 暗渠補強の3段階
7人 × 4日28人工2026年4月

⚡ 計画更新:現地写真の追加調査により、問題の本質が「広域地下水」ではなく「詰まった排水口の上流に滞留する湿潤帯」と判明。工事内容を大幅に修正。

目次
  1. 目的と経緯
  2. 現地の構造(広域)
  3. 現地の構造(崖面・詳細)
  4. 水の流れと問題の本質
  5. 3フェーズ施工計画
  6. 施工仕様
  7. 資材リスト
  8. 人員配置と班編成
  9. 4日間工程表
  10. 通水テストの実施方法
  11. 失敗パターンと対策
  12. 成功判定チェックリスト
01

目的と経緯

問題:1階がすべてカビる。除湿機も換気も効かない。

原因:山+池の水が崖面から滲出し、家の基礎周りを常時湿らせている。

発見:既存排水口が土砂で完全に閉塞。本来排出されるべき水が崖面に滞留。

家を直すな。
詰まった排水を開けろ。

まず既存インフラの復旧。新設はその後。

計画の変遷:

当初:区道全線に深い暗渠を新設する計画

↓ 現地写真の追加調査

更新:排水口復旧+崖面横溝+必要に応じ暗渠補強の3段階に修正

02

現地の構造(広域)

広域
山あいの谷底。背後に山と池、前面に田んぼ4面。
航空
石垣の上が山・池。家は石垣直下。前方の田んぼは家より低い。

平面図(施工対象)

平面図
黄色 他人の山青 区道赤 既存排水溝緑 暗渠設置候補

断面(実測値)

断面
区道 → 基礎
300 cm
湿潤帯 → 基礎
150 cm
湿潤帯の位置
区道と基礎のちょうど中間。区道から下に150cm。
03

現地の構造(崖面・詳細)

俯瞰:崖と排水溝

俯瞰
2階から撮影。左が崖面(シダ・草が密生)、右が屋根・室外機。崖と家の間は50cm〜1m程度。

崖面の湿潤帯

崖1崖2
崖面の下半分にシダ・苔が密生。上部は枯れ草で乾燥。境界線=主水脈の滲出帯。

シダ密生帯

シダシダ拡大
シダが崖面に張り付いて繁茂。根元は常時湿潤。「水が出ている高さ」の生物学的指標。

排水口(土砂で閉塞)

排水口
コンクリート擁壁の排水口周辺。シダと土砂が詰まり、排水機能を完全に喪失。これが問題の直接原因。

決定的発見:苔の上端、シダの分布上限、そして計測された「基礎+150cm」がすべて一致。この高さが主水脈の滲出帯。

04

水の流れと問題の本質

現状:排水口が詰まり、水が崖面に滞留 → 家へ区道 (GL)崖面湿潤帯(シダ・苔)GL -150cm 〜 GL -250cm← 排水口(閉塞)1F カビ田んぼ(低い)滲出水 → 家へ150cm150cm 施工後:排水口復旧+横溝で水を横に逃がす区道 (GL)乾燥化横溝(湿潤帯下端)← 排水口(復旧)乾燥 ✓田んぼ水が家に到達しない ✓ 水の変換:面 → 線 → 点崖全体が湿る横溝で集める排水口へ
05

3フェーズ施工計画

P1フェーズ1:排水口復旧(最優先)

閉塞した排水口の土砂・根・落葉を完全除去。上流の水みちを50〜100cm辿って露出。通水を確認する。

P2フェーズ2:湿潤帯横溝

崖面の湿潤帯「下端〜中央やや下」に沿って浅い横溝を入れる。深さ10〜20cm、幅10〜20cm。面の水を線に集め、排水口へ導く。

P3フェーズ3:暗渠補強(必要な場合のみ)

P1+P2で不足なら、問題区間に短い集水管を設置。幅20〜30cm、深さ20〜40cm。砕石+短い有孔管で排水口へ接続。

06

施工仕様

P1排水口復旧

作業
土砂・根の除去
追跡範囲
上流 50〜100cm
確認
ホースで水を流し、排水溝から吐出を確認

P2崖面横溝

位置
湿潤帯の下端
高さ
基礎 +150cm
溝の深さ
10〜20 cm
溝の幅
10〜20 cm

P3暗渠補強

20〜30 cm
深さ
20〜40 cm
充填
砕石+短有孔管
接続
既存排水口へ
07

資材リスト

排水口復旧・横溝

剣先スコップ掘削×4
鎌・鉈草刈り×3
バール石・根×2
一輪車搬出×2
ホース通水テスト×1
バケツ水量確認×2

補強用(P3)

砕石 20-40mm0.3〜0.5 m³
有孔管 φ100短尺2〜3 m
半割パイプ横溝保護3〜5 m
08

人員配置と班編成

A
草刈り・開拓班 3人
崖面のシダ・草を刈り取り土を露出。排水口周辺を優先。
鎌×2、鉈×1、刈込ばさみ
B
排水口復旧班 2人
排水口の土砂除去。水みち追跡。通水テスト。横溝掘削。
剣先スコップ×2、バール×1、ホース
C
搬出・補強班 2人
草・残土の搬出。必要に応じ砕石・小石で補強。
一輪車×2、角スコップ×2
09

4日間工程表

1
草刈り・排水口発見
08:00
集合・安全確認
08:30
★ A班:崖面の草刈り(排水口周辺を最優先)
10:00
★ 排水口の位置確認・露出
10:30
B班:排水口の土砂除去開始
13:00
B班:排水口上流の水みち追跡
15:00
★ P1通水テスト
16:00
湿潤帯の高さにマーキング
2
排水口完全復旧・横溝開始
08:30
★ B班:排水口の完全復旧
10:00
排水口周辺の崩れ防止
11:00
★ P1通水再テスト → P1完了判定
13:00
★ P2開始:湿潤帯下端に横溝
15:00
横溝を排水口方向へ延長
3
横溝完成・補強
08:00
横溝の延長・仕上げ
10:00
★ P2通水テスト(横溝→排水口→排水溝)
13:00
P3判定:追加暗渠が必要か
13:30
必要なら砕石+短有孔管
15:00
崩れやすい箇所を補強
4
仕上げ・最終確認
08:00
通路整理・排水口周辺整形
10:30
擁壁の水抜き穴確認・清掃
13:00
★ 最終通水テスト(全系統)
14:00
清掃・残材撤去
15:00
★ 完了確認・写真記録
09a

通水テストの実施方法

目的:排水口の復旧が機能しているか、横溝→排水口→排水溝の流路が成立しているかを確認する。ホースと水だけで行う。

テスト手順

① P1通水テスト 排水口の上流側からホースで水を3〜5分間流す。下流側(排水溝側)で水が出てくるかを確認。

② P2通水テスト 横溝の最も遠い端からホースで水を流す。横溝→排水口→排水溝の全経路で流水を確認。

③ 最終通水テスト 崖面の湿潤帯付近にホースで広範囲に散水。横溝が面の水を線に集め、排水口経由で排水溝へ吐出する全プロセスを確認。

Definition of Done

✅ P1完了 上流からホース投入後、2分以内に排水溝側から吐出を目視で確認。流量がホース投入量の半分以上。詰まりによる逆流・溢れがない。

✅ P2完了 横溝端部からの水が5分以内に排水口経由で排水溝から吐出。横溝内に滞留なし。崖面への逆流なし。

✅ 最終完了 崖面散水後10分以内に排水溝側で流水確認。家側への漏水なし。

⚠ 不合格の場合

水が出ない → 管内部の詰まり残り。再除去。

途中で止まる → 勾配不足。溝を再調整。

家側に流れる → 横溝位置が低すぎ or 勾配逆。上方に修正。

記録:各テストで「投入開始時刻」「吐出確認時刻」「流量(多い/少ない/なし)」「家側漏水の有無」を写真とともに記録。

10

失敗パターンと対策

✕ 排水口を見つけられない
草やシダが密生して不明。
→ まず草刈り徹底。擁壁面を露出させれば必ず見つかる
✕ 排水口の奥が詰まっている
管内部に土砂や根が侵入。
→ 棒やホースで突く。最悪は管の入口を拡大
✕ 横溝が崩れる
崖面の土が柔らかい。
→ 半割パイプや小石で底を保護
✕ いきなり深い暗渠を掘る
排水口閉塞だけなら大工事は無駄。
→ まずP1完了し効果確認してからP2・P3
✕ セメントで崖面を塗り固める
水は横や裏に回るだけ。
→ 水を止めるな、流せ

❌ やっても無意味 床下換気だけ/除湿機だけ/内装改善だけ/崖面の防水

11

成功判定チェックリスト

  • 排水口から水が流れ出ることを確認
  • 横溝に水を入れると排水口方向に流れる
  • 雨後に崖面の湿り範囲が縮小
  • 家と崖の間の通路が乾燥
  • 擁壁の苔上端ラインが下がる(数ヶ月後)
  • 1階のカビ発生が減少(数ヶ月後)

詰まった排水を開け、
水が出ている高さで横に集め、
排水口に逃がす。

水を止めるな、流せ。